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2018.02.10

REO SPEEDWAGON "R.E.O./T.W.O."

1月28日に父の納骨を済ませました。直後にTVで「お墓探しも大変な昨今」といった特集を見る機会があり、「先に買っておいてもらって良かった」とホッとするやら苦笑いするやら、でした。何だか生きにくい世の中になってきているようです。

さて、12月の初旬にU2の新譜がドロップされて以来、2ヵ月以上ほとんどそれしか聴いていないほどのめり込んでいるのですが、ここに来て久しぶりに、何故かREO(念のため、アールイーオー、とアルファベット読みです)SPEEDWAGONの2ndアルバムを間に挟むことが多くなりました。U2とは直接何の関係もないのですが。

1972年リリース、タイトルは"R.E.O./T.W.O."で何の工夫もありません(笑)。当時の彼らは現在のREOではなく、R.E.O.と名乗っており、そこに合わせて2ndなのでT.W.O.と点を打ったのではないでしょうか。このアルバムからヴォーカル兼リズムギターとして現在でもバンドの看板であるケヴィン・クローニンが参加、リードギタリストのゲイリー・リチラースと作曲を分け合い、Music Man、Like You Do、Golden Countryという名曲が収録されることとなりました。これだけで彼らの初期を代表する傑作と言えるのですが、一般的に彼らの最高作が1980年リリースの"HI INFIDELITY"とされている(これには僕も異論はありません)のに対して、個人的には「このセカンドこそが最高作なのかも」と思うようになりました。

ケヴィンのヴォーカルには後年のような「伸び」や「透き通ったハイトーン」「力強さ」はまだありませんが(それまでシンガーソングライターとしてフォークシーンで活動してきた人ですから、初めてロックバンドで歌うことに相当の苦労があったことでしょう)、その分、不器用なシャウトが微笑ましく感じられます。代わりにゲイリーのリードギターとニール・ドーティのハモンドオルガンがバンドのインタープレイをグイグイと引っ張ります。きっと当時のライヴステージをそのままレコード化しようとしたのでしょう。重心が低く手数の多いグレッグ・フィルビン(1977年に脱退)のベース、合わせてアラン・グラッツァー(1989年に脱退)のドラムも後年の作品にはない手数の多さで興奮させられます。

今思うと、ステレオの1サイドにアコースティックギターのリズム、もう1サイドにエレクトリックギターのディスト―ションサウンドのリズムを入れるというアイディアは、ひょっとしたらこのアルバムが最初なのではないでしょうか。少なくともアメリカン・ハードロックの原型がここにあるのだと思います。ナッシュビルでレコーディングされたせいか、彼らの他の作品にはない土臭さが感じられるのも良いです。当時は全く売れず、一介のアメリカ中西部のバンドとしてしか見られていなかったスピードワゴン。この後地道なツアーとレコーディング活動を続け(ケヴィンは73年に一度脱退、76年に復帰します)、9年後"HI INFIDELITY"で遂に天下を取るのですが、そこでのサウンド・曲作りは彼らなりにソフィスティケイトされたものであり(批判しているのではありません)、このセカンドのような持ち味は薄れていると言わざるを得ません。

曲作りにもリズムギターにも長けたヴォーカリストが加入し、バンドの士気がさらに高まった初期衝動が叩き込まれた、と言えるのかもしれません。僕にとっては何とも愛おしい作品なのです。2011年に日本だけで発売された紙ジャケDSDリマスターCDの中身を1990年頃に出た米盤CDのプラケースに入れて、いつでもすぐに聴けるようにしています。リマスター効果は素晴らしいです。Golden Countryを聴くと(泥沼化していたベトナム戦争へのアンチテーゼとして書かれたそうです)、当時と何も変わっていない今の世界を感じてしまいます。RIP、ゲイリー(1989年脱退、2015年没)。

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